こんにちは、君島です。

前回(2017.09.07ブログ)に引き続き、日頃の設計業務で使っている用語や仕様について、改めて考えてみようと思います。

今回のテーマは、ダイニング・キッチン(DK)です。

私がダイニング・キッチンについて調べたきっかけは、定石化したLDKプラン以外に面白い有効的な解決法のプランは出来ないかと考えたからです。人々の生活自体をも変えてしまうような大きなテーマの為、いまだ答えは見つからず思案中です。もちろんこれからも考え続けます。

とはいえ、その為にダイニング・キッチンについて調べてみて、なるほどと思うことがありましたので、ご紹介します。

ダイニングキッチンについて(天下無双の建築学入門より引用)

単語

和製英語(造語)である。

 

ダイニング・キッチンとは

食堂と台所ということではなく、食堂機能と台所機能が一体化した空間をさします。
(その空間にさらに居間機能が合体したものをリビング・ダイニング・キッチンというそうです)

 

DKプランのルーツ

昭和十年代に成立した「食寝分離論」が始まり。
大阪の下町の路地裏にある長屋の間取りと住まい方を調査し、人々は狭い家の中でも寝る場所とは別に食事をする場を設けようと工夫し、布団を片付けてから、卓袱台を出して食事をする。食と寝が一致する生活をしていたことから、小規模住宅改良の第一歩は食事の場を寝る場から分離独立させることにあると主張し、この理論を「食寝分離論」と名付けました。

 

DKプランの実現

昭和三十年、戦後の都市部の住宅不足を解消するために、日本住宅公団が公営住宅として住宅供給が開始されました。

 

DKプランの想定外

狭い長屋改良の理論として食寝分離論が唱えられたが、実現したのは中産階級の団地であり、そのうえ、上流階級まで広がり、十分に広い家でもダイニング・キッチンは定石化してゆきました。生みの親(理論)の意に反して、ダイニング・キッチンはどんどん出世し、生まれた階級から分離してしまったのです。

「天下無双の建築学入門」
著 者 藤森照信
発行所 株式会社 筑摩書房

日本の生活に深く浸透したDK

誕生してから半世紀以上たった現在でも、ダイニング・キッチンという型が採用し続けられていることは、想定外にしても大きな発明だと思います。それと同時にダイニング・キッチンの成り立ちを認識しておくことは、とても重要なことだとも思います。
掘り下げていくと、面白いですが、難しくなってしまい出口が見つからず迷走状態に陥るので、お客様との打合せの際に余談ネタとして使っていただければ幸いです。

LDKの一般的な広さ

予算や敷地など様々な条件によってプランは変わりますが、よく見る一般的なLDKの広さをご紹介しておきます。家を考える際の参考になれば、これまた幸いです。