今回は、木造軸組工法の架構における伏図チェックをテーマにしました。
木造伏図を設計する際、部材サイズの検討と同等に重要なポイントが梁の継手位置です。
継手部分は強度が低い為、大きな荷重がかかる位置に設けると危険です。
避けるべき継手位置とその対処法の一例を示しましたので、参考にして頂ければ幸いです。

但し、今回ご紹介する内容の全てを回避しようとこだわりすぎると架構が成り立たなくなる場合も少なくありませんので、今回ご紹介する内容は、あくまで基本的な考え方の一つとして参考にして頂ければ幸いです。

集中荷重付近の継手

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柱の集中荷重が継手にダメージを与える。

継手位置をずらして、集中荷重の負担を回避する。

耐力壁内の継手

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右から左に水平力を受けると筋かい頭部が梁を押し上げる力が作用する。

継手位置を耐力壁の外へ移動する。

吹抜け内部の継手

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外壁面の胴差・軒桁・妻梁に風圧が水平力として加わる

継手位置を吹抜けの外へ移動する。

梁継手の一例(腰掛鎌継手)

 

火打梁内の継手

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火打梁は梁仕口の回転を拘束することで梁組の水平構面の剛性を確保するものである。
火打梁の内部に強度の低い継手があると、継手部分で回転してしまい、火打梁の効果がなくなってしまう。

火打梁内から継手位置をずらす

継手を囲うように四周火打梁を入れる

一直線上に並ぶ継手

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母屋の継手は揃いやすい為、強度の低い継手部分が一箇所に集中しないよう分散させる。

継手を一本おきに千鳥配置とする。もしくは、

 

継手の上木・下木を一本おきに配置する。

天秤梁となる継手

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けらばに荷重が加わると、跳ね出し梁端部の継手を支点にして跳ね上がる。

継手位置をずらし、跳ね出し梁の継手下木を上木側の梁継手で抑える

最後に

冒頭にも書きましたが、上記の内容を重視するあまり、全てを回避しようとこだわりすぎると架構が成り立たなくなる場合も少なくありません。力の伝わり方を検討し、補強するなどして建物全体で強度が保たれるようバランスを考えて設計することが重要です。

 

 

木造構造計算業務