こんにちは、早田です。
前回、外皮計算について書きましたが、今回は一次エネルギー消費量の計算について書きたいと思います。

一次エネルギー消費量とは

一次エネルギー消費量とは、冷暖房、換気、給湯、照明の設備のエネルギーを熱量換算した合計値のことです。これらの現在の機種は、どこのメーカーさんも省エネの製品を出していますよね。家電屋に行くと、省エネマークの表示がされているものが該当します。
一次エネルギー消費量の計算とは、これらの設備が消費するエネルギーの合計を算出するものです。
では、どうやって計算するかというと、国立研究開発法人建築研究所のWebサイトにある「エネルギー消費性能計算プログラム」を使用します。

順番に、物件基本情報、外皮性能、暖房、冷房、換気、熱交換、給湯、太陽熱、照明、太陽光、コージェネレーションシステムと、該当する部分の設備などの仕様を入力していきます。

この計算は、該当地域の場所に、入力した規模の住宅を建てた場合に規定される基準一次エネルギー消費量」が算出され、また、今回使う断熱材や設備でどれくらいのエネルギーが消費されるのかという「設計一次エネルギー消費量」が計算されます。

基準一次エネルギー消費量より設計一次エネルギー消費量が、少なければ少ないほど、省エネな住宅ということになります。

【主たる居室と冷暖房】

先日、ZEHのシミュレーションをしました。
条件として、外皮性能(断熱材やサッシ等)と使用する設備全く同じとしました。
一次エネルギー消費量の算出に、「主たる居室」「その他の居室」「非居室」という3つの空間の区分があり、この「主たる居室」というものがポイントになりました。

「主たる居室」とは、一般的に、LDKなどの部分を指すのですが、現在のプランでよくあるリビングに階段がある場合で、建具などで仕切られていない場合は、連続して繋がる2階のホールまで主たる居室に含めないといけないルールがあります。

このプランで仕切りがないと、主たる居室が53.82㎡、仕切りを入れると36.44㎡になります。
両方計算してみたところ、設計一次エネルギー消費量において、暖房・冷房に、約1.5倍にもなる大きな差が出ました。
主に人がいる部屋の空間が大きければ大きいほど、暖めたり、冷やしたりするのに多くのエネルギーを必要とする為、そこで消費するエネルギーも比例する。
当然と言えば当然ですよね。

このように、省エネの住宅を検討する場合は、リビングに階段や吹抜けなどを設けない方がいいのかと思います。でも、その分を高断熱で補うなどの手法もあるので、省エネの計算はなかなか奥が深いものです。

 

省エネ計算業務