こんにちは、早田です。
今回は、福島県を例にとって、「断熱等級4の基準値(UA値)をクリアする仕様とは?」をテーマに、現在よく使われている仕様は、どれくらいのレベルなのか、また、県内の寒い地域では、どれくらいの仕様が必要なのかをご紹介していこうと思います。
ただ、プランやその他条件により数値は変わるので、一概には言えないということとクリアする方法は複数あるということを踏まえ、参考程度に見て頂きたいと思います。
断熱等級4の基準値(UA値)
断熱等級4の基準値(UA値)が、2020年の義務化基準となる予定です。では、断熱等級4の基準値とはどういったものでしょう。
地域 区分 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
UA値 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | – |
福島県は、3地域、4地域、5地域が当てはまります。3地域は、南会津方面や田村市(一部除く)など標高が高く寒い地域、4地域は郡山市や福島市などの中通り地域が多くあり、5地域はいわき市などの比較的暖かい地域が区分されています。この地域区分の基準値以下を目指していきます。
仕様での性能差 『断熱材』と『窓の種類』
これから、【パターン1】【パターン2】と二つの仕様でご紹介していきますが、条件として、『延べ面積(125.86㎡)・外皮面積(297.94㎡)・工法2×4工法、2階建て』以上の条件は同じとして検証していきます。変わるのは、あくまで『断熱材』と『窓の種類』とします。
【パターン1】
仕様
壁 :HGW16kg品 89mm
天井 :HGW16kg品 155mm
床 :押出法ポリスチレンフォーム3種b 50mm
サッシ:Low-E複層ガラス
〇熱貫流率(U値)
壁 :0.503(W/㎡・k)
天井 :0.335(W/㎡・k)
床 :0.532(W/㎡・k)
サッシ:2.330(W/㎡・k)
〇外皮平均熱貫流率(UA値)
UA値:0.64(W/㎡・k)
となります。
このパターン1の断熱材やサッシは最近多い仕様です。
この場合は、4地域(UA値:0.75)までなら断熱等級4をクリアしますが、3地域(UA値:0.56)はNGとなってしまいます。
【パターン2】
仕様(充填断熱+外張付加断熱)
壁 :HGW16kg品 89mm + 押出法ポリスチレンフォーム3種b 30mm
天井 :HGW16kg品 155mm ※パターン1と同一
床 :押出法ポリスチレンフォーム3種b 50mm ※パターン1と同一
サッシ:Low-Eトリプルガラス
〇熱貫流率(U値)
壁 :0.408(W/㎡・k)
天井 :0.335(W/㎡・k)
床 :0.532(W/㎡・k)
サッシ:1.700(W/㎡・k)
〇外皮平均熱貫流率(UA値)
UA値:0.55(W/㎡・k)
となります。
パターン2は、外壁に付加断熱として、押出法ポリスチレンフォーム3種bを30mm張り、サッシをトリプルサッシに変更したものですが、こちらは、3地域の断熱等級4の基準値である0.56以下になっている為、OKという事になります。
最後に
これを見て頂ければ分かるように、3地域と4地域では必要となる断熱性能は全然違ってきます。2020年の義務化に備えて、地域ごとの断熱仕様及び断熱工法を明確化しておくことが、今後より一層重要になってくると思います。
弊社でも、ZEHを含め様々な仕様を見てきました。その経験から、断熱性能のご相談に乗ることが出来ますので、困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。